「番組制作にも生成AIを活用」|関西テレビ放送、AIアシスタント『Lightblue Assistant』の全社導入を開始
〜社内データ参照機能と独自のアシスタント構築機能で、全社的な業務効率化へ〜 東京大学発、最先端アルゴリズムの現場実装に取り組むAI...
こんにちは。
株式会社Lightblue Technologyエンジニアの谷口、平原です。
2020年6月9日(火)~6月12日(金)にかけてオンラインで開催された2020年度人工知能学会全国大会(JSAI 2020)(https://www.ai-gakkai.or.jp/jsai2020/)に参加し、研究内容を発表しましたので、その報告をいたします。
毎年1回開催されるイベントでして、全国から集まった研究者・技術者により人工知能に関する様々な研究内容が発表されます。
今年は、本来であれば熊本県熊本市の会場で行われるはずでしたが、新型コロナウィルス感染症の影響により、オンライン(Zoom)での開催となりました。よって、講演者や聴衆者はオンライン(Zoom)上の会議室に参加し、発表や聴講を行う形式になりました。
ここからは私たちの発表についてですが、
今回Lightblue Technologyから、エンジニアの谷口と平原がそれぞれの研究テーマにそった発表をしましたので、その内容について簡単にご紹介いたします。
弊社が開発している、人にフォーカスした画像解析の技術(ヒューマンセンシングAI)を用いた事例として、大手ゼネコン様と取り組んでいる建設現場での取り組みを紹介しました。重機に単眼カメラを取り付け、現場作業員の人物検出と、その人物の姿勢変化した際の重機との距離推定を行うアルゴリズムについて、その精度や課題など発表しました。また建設現場という環境でAIを活用する際に考慮しないといけない問題点とその解決方法について検討内容も発表しました。
重機と人との接触災害防止のために、大手ゼネコン様と取り組んでいる対人距離推定手法について発表しました。既存の距離推定システムと比較しても、検出精度、距離推定精度が変化しないことを示しました。また、実際の建設現場を想定して現場作業員の姿勢や服装、障害物が検出に与える精度についての調査結果や、今後の実運用に向けて行っている速度面の改良などについても発表しました。
Lightblue Technologyで開発している動作推定技術に関連して、動作推定の精度に影響する要因について発表しました。実際の動作推定において、動画のフレームレートを上げることよりも推定に使用する動画の時間を長くすることの方が重要であるという点、また、時系列を考慮したモデルを学習した方が、より短い時間の動画から高い精度の推定が行えることを発表しました。
特定の人物がどこに写っているかを、カメラに映る画像から特定するタスクにおいて、人物検出したのちに人物の特徴ベクトルを計算するという従来の手法ではなく、人物検出と人物の特徴ベクトルの計算を並列的に行う手法を提案されていたことが新しく、興味深く発表を聞かせて頂きました。(谷口)
攻撃を受けたデータを取り除くために、二つの学習モデルを使ってデータを取り除くという研究です。手法としては、まず、攻撃を受けたデータで学習したモデルで攻撃を受けていないデータを分類します。その結果をラベルとして新しいモデルを学習します。そのあとで、攻撃を受けたデータの混在しているデータを二つのモデルで推定し、推定結果の異なるものが攻撃を受けたデータであるとするというものでした。近年もてはやされているAIですが、そのAIをどのように騙すか、またその攻撃にどうやって対策をするのかということに単純に興味がありました。外注したデータを使って学習したモデルの様子がおかしいとなった場合に、このように対処できると実務における有効性も見出せました。(平原)
聴衆者サイドのリアクションが見えないという難しさは感じましたが、発表自体は特に問題なく行うことができました。また思ったよりも活発に質疑応答があり、オンラインでも十分成立しているという感じはしました。また参加する側としては気軽にいろいろな発表を聞くことができて、オンラインでの開催も大変有意義な手法だと感じました。(谷口)
発表はオンラインでしたが緊張しました。来場者の人数もわかるので、例えば80人であれば横を12人とすると7列くらいと想像すると意外と多いなと思いながら発表していました。また、発表を聞く側ではイヤホンなので発表者や質問者の声を聞き取りやすく、画面も見やすくてとても快適でした。通信状況や環境音などの影響があるかと思いましたが、大きな問題はなく発表することができました。(平原)
最後になりましたが、人工知能学会の開催を実現された大会委員会および運営の皆さま、誠にありがとうございました。新型コロナウィルス感染症の影響が広がる中、色々と工夫をされ、通年以上に大会開催に苦慮されたこととお察しします。また1年間精進し、来年もまた面白いテーマを携え、現地に足を運んで参加・発表したいと思います!